2009年07月06日

海象・気象余話


「海象・気象余話」 


 

 “イワシ雲”

 

ウロコ雲 イワシ雲は、ウロコ雲・サバ雲とも呼ばれ、丸みをおびた小さい塊状の白い雲でウロコを並べたように空一杯に広がります。雲の分類上では、『巻積雲(又は絹積雲)』に分類され、小さな氷の粒や水滴でできています。低気圧の前面に現れることが多く「イワシ雲の次の日は天気が崩れる」というのは、結構当っているようです。英語でイワシ雲・ウロコ雲・サバ雲の浮かんでいる空を“mackerelsky”と表現するらしく、この辺の感性は日本語も英語も同じようである。俳句では、イワシ雲・ウロコ雲・サバ雲ともに秋の季語。注意しなければならないのは、イワシは秋の季語であるが、サバは夏の季語である。


 

 

 

 “海と暦”


 

 『去年、大物をたくさん釣った所へ、今年も「同じ日」に釣りに行けば、大物が釣れる確率は非常に高いはず。そこで、暦を見て「同じ日」同じ場所に釣りに行ったが、全く釣れなかった』こういう話を時々聞きます。しかし、この話には、根本的な誤りがあるのです。

 潮汐(ちょうせき)が、主に月の引力によって起こっていることも含め“海の中は、太陽暦(新暦)ではなく、太陰暦(旧暦)で動いている”ことを思い出して下さい。例えば、「その日」がたまたま、6月21日だったとします。去年の潮見表で見ると、6月21日(土)は、旧暦の5月18日です。今度は今年の潮見表で、旧暦の5月18日を見ると、6月10日(水)になっています。つまり去年と「同じ日」というのは、今年は6月10日ということになります。魚釣りは、旧暦をもとに動いています。あなたの釣り日誌には、旧暦・潮周り・潮時を書き込む欄はありますか?

 

 

 

 “潮と人間生活”

 

 潮の干満(=潮汐)に関しては、非常に多くの俗信・迷信・言い伝えがある。例えば「人は満潮時に生まれ、干潮時に死ぬ」という伝承は各地にある。また、「満月のときには男の子が、新月の時には女の子が生まれる」とも言われている。ほかに、「家の棟上(むねあげ)式」や「船に船霊(ふなだま)を祀(まつ)り込む時」「船下(ふなお)ろし(=進水式)の時は」は満潮時に行う。満潮時におこった火事は大きくなる、満潮のときの怪我は出血が多いなど色々ある。これら潮汐についての伝承のなかには単なる干満に基づく俗信もあるが、一方には人間の生理現象に関することばに血潮(ちしお)・初潮(しょちょう)などがあることからすれば、血液・生命と潮との間には深い関係があると考えられていたともいえよう。




 

 “潮汐と魚の関係”

 大潮(潮位の差が大きいとき)と小潮(潮位の差が小さいとき)では、大潮のときの方が魚は良く釣れるといわれています。潮位の差の大きいときは潮が速く流れ、潮が下から上へ湧き上がる現象が起こる。この流れによって下層のプランクトンが上層に押し上げられ、そのプランクトンを小魚が食べ、小魚をフィッシュイーターが捕食するので魚の活性が高まり、結果的に魚が釣れる確率が高くなる。また、潮が良く動くことによって、酸素が大量に海中に取り込まれるため、魚の活性が高まるためともいわれております。

 

 “上げ3分・下げ3分”

 海釣りでは、上げ3分・下げ3分が狙い目といわれている。上げ3分とは干潮時から満ち上がり3分目、下げ3分とは満潮時から引き潮の3分目のことをいう。魚が活発にエサを食べるのは、満潮または干潮(潮止まり)時刻から約2時間後と言われている。その計算方法は、満潮から干潮、干潮から満潮までの所要時間を約7時間とし、その10分の3であるから7(時間=420分)÷10×3≒2(時間=126分)である。もし、11時頃が干潮の場合、上げ3分は13時頃である。

 

 “大潮差”

 大潮差(だいちょうさ)とは、大潮(おおしおの時)の平均潮差であるが、日本の太平洋側と日本海側では、大きな差がある。東海地方から九州南西列島にかけての太平洋側では、1.5〜2.0m(150〜200cm)であるが、一方日本海側では20〜50cmである。日本海側の大潮差が小さい理由は、日本海が大陸沿岸と日本沿岸に囲まれた閉鎖的な水域の為だといわれている。ちなみに、鳥羽港付近の潮汐グラフの縦軸は−20〜200cm、三国港付近は−5〜25cmになっている。

 

 

 

 

 

    “潮の話”

♦潮目(しおめ)
 水温・流速などが異なる潮がぶつかった時、その境界にできるのが潮目で、極端なときには2m以上の段差ができ、白波の壁が延々と境界に沿って続くこともある。通常は、片方が濁りの強い潮で、一方が透明度の高い潮、或いは油を流したように静かな海面とサザ波が立つ海面だったりする。ここには流れ藻や流木、ゴミなどさまざまな漂流物が集まってくるので、それに集まる稚魚や幼生を追い、特に回遊魚の好ポイントとなる。

♦潮上(しおかみ)・潮下(しおした)
 海の中には、風・水温など様々な理由によって潮の流れができるが、その潮が流れてくる上流の方を潮上、下流のほうを潮下という。

♦上げ潮(あげしお)・下げ潮(さげしお)
 もっとも潮位が低くなる干潮から満潮に向かって、徐々に潮位が高くなる潮のことを上げ潮という。満ち潮も同じ意味。逆に、もっとも潮位が高い満潮(まんちょう)から干潮(かんちょう)に向かって流れる潮を下げ潮といい、こちらは引き潮と同じ
意味。下げ潮を落とし潮(おとしお)と呼ぶ所もある。

♦込み潮(こみしお)
 沖合いから陸地に向かって流れる潮のことだが、本来は上げ潮によって陸地に向かう潮とは無関係で黒潮など外洋の潮、あるいは、冷水域による潮流の変化を受けてのことが多いようである。

♦出し潮(だしお)
  陸側から沖合いに向けて流れる潮のことで、潮の満ち引きとは直接の関係はない。

♦真潮(ましお)
 太平洋沿岸を南から北へ向かって流れる潮のことで、黒潮そのもののことではなく、それに伴って北上する沿岸流の一種。この潮が流れるときは水温が上がり、魚の食い立つことが多いが、春には急流となって大きな河川の河口付近で反転して、逆潮(さかしお)となることがある。

♦逆潮(さかしお)
 太平洋岸で、沖合いが黒潮で南から北へ流れているのに、沿岸部には北から南へ逆方向に流れる潮がある。これが、逆潮で水温が下がるため平均して魚の食いは悪くなる。

♦上潮(うわしお)下潮(したしお)
 海の表面を流れる潮が上潮で、底に近いところを流れるのを下潮という。上潮と下潮の流れの方向が違うと二枚潮になってしまう。漢字は一緒であるが、上げ潮・下げ潮とはまったく意味が違うので注意。なお、下潮は底潮とほとんど同じ意味である。

♦赤潮
 水温が上昇する夏期、底層の溶存酸素が不足することによって、プランクトンなどが死に、海水が赤褐色に濁ること。潮通しの緩やかな湾奥部で起きることが多く、カレイやイシモチ・ハゼなど回遊力の小さな低層の魚にも悪影響があり、酸欠状態で浮上するものが増える。

♦青潮
 夏期、特に7〜8月に起きる現象で、陸から海に向かって強い風が吹くことにより、溶存酸素の少ない低層の海水が上昇。含まれる硫黄分が酸化することにより、海面が青く見えることをいう。



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